*ふいの、知らせ*  2005,6,20
中目黒の駅の階段を下りる帰り道
前を行く人は右足がよくないようで、でも慣れたように手すりを使って下りられていた
その人の背広の背中のスリットのところを見ながら、父の背広と父を思い出していた

いつか父が話していたこと 駅で荷物の重そうな女性に
“持ちましょうか?”と声をかけたら、とても不審そうな顔をされたと

お父さん、前に私が骨折してギプスになって気づいて、書いたことね
“なにかお手伝いしましょうか”って、とりあえず声をかけてみたらって
だって声をかけてみないと、何が大変なのか、どう手伝いができるのか、わからないから
“Could I help you ?” て英語はすんなり違和感ないけれど、日本語のそれは こなれない
だからどんどん使って、こなれた日本語にしたい “なにかお手伝いしましょうか”
お父さん、今なら素直に、そんなことも話せたかなあ

そんなことを考えていたら、ようやく思い出した  昨日が父の日だったこと
背広の人の背中は、誰だったんだろう 誰の知らせだったんだろう
 
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心がくぅんとするときは 遠回りでも目黒川を通る
一度も住んだことはないし、地元でもないのだけれど、
職場への道でいつも通っていた目黒川 
桜の目黒川への思いは、年とともに重なるばかり
だから今日も 道を一本入って、目黒川

鼻をくんくんさせて 緑のにおいをぐうっと吸い込んで
川べりを、ゆっくり自転車を走らせる ああ、、、うん。ここだ。
でも、ふっと水面を見ると・・・水がない!ほぼ、ない
やっぱり水不足なんだろうか


このところ、あまりに自転車に乗れる梅雨に、気になっていたんだ 
朝、太陽に輝く紫陽花を見ながら思った
ひょっとして紫陽花は表面がしっとりしていないと苦しかったりするんじゃないかなあ…

勝手に、目黒川の、乾いた声が聴こえるような気がしてしまった
虫の知らせでよばれた、目黒川の声
by acomino.cocoro | 2005-06-20 23:59 | 自分さがし
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