*あちこちでしゃべるんば





天気がいいので洗濯日和。
というのはまだ、はやい・・
内子は盆地やけん、この時期、ように乾かんけん。

でもこのごろ、少しづつ干しとける時間が長なった気がする
春が近づいとんやなあ~




冬眠中にしていた作業
傘の骨たちを、おろしました



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私はアンブレラマスターの資格をいただいています。



それは、3年前

帽子の作家活動をしていた中で
ふいに、はぎれで日傘を作ろうと思いつき
傘の骨を買わせていただける方をさがして、
片っぱしから東京の傘屋さんにお電話したのです

ときは梅雨時前。傘屋さんが一番、お忙しい時期でした
相手にされない中、もうやめようかと折れそうな心をつなぎながら
ようやく、なんだか脈ありの傘屋さんに電話先で出会いました。
翌日にお約束をいただき、菓子折り持参で押し掛ける!

おじちゃん、はじめはやっかいそうだったけれど
個人で傘を張っていることがなんだか嬉しかったみたいで
(ってまだ一本しか作ったことなかったけど・笑)
日本の竹、桜の木、、つぎつぎと骨やら手元を見せてくださいました
最後には、ロットが少ないこを気にしていた私に
「要る数だけ持っていけばいい」と、少量で買わせてくださったのでした

その骨で試作してみて、さらに数本の傘を買わせていただこうと伺うと
職人のおじちゃんもいらして、私のつくった傘を褒めてくださいました
「型がいいよ!りっぱなもんだ」

作家という位置で活動をしているけれど、
それに甘えて「製品」として成り立たないようなものは出したくない。
日傘を始めるに際して、そのきもちを持ち続ける勇気を持たせてくれたのは
傘屋のおじちゃんたちの言葉でした
そうして、「アンブレラマスター受けてみたら」とすすめてくださったのです
一般の人は受けることができない検定
その傘屋さんの推薦ということで、受けさせていただきました。
そして第一回アンブレラマスターを勉強させていただき、頂きました。


愛媛の内子という町ににきて2年になり
布からお皿から畑から家から・・ 全て手づくりで作る人人に出会う中で、
『布作家』 という肩書をみて「布をつくっている」 と思われるようになりました
それからは、出会えた人のおかげで出会えた布たちを帽子や傘として繋いで
これから出会える人たちに土地に繋いでいく、という意味を込めて
『布をつなぐ作家』 としました。

ここ内子には、
骨から何からすべてを手づくりで作る和傘職人さんがいらっしゃいました
そんな素晴らしい土地にいると、やはり
「骨組みや持ち手も作ってるの?」と聞かれることがあります

私は相変わらず、東京の傘屋のおじちゃんたちのお世話になっています。

去年から、おじちゃん 入退院を繰り返しています。
私が内子に暮らしたことを知って、前回の荷物の中に一言、書かれていました
「愛媛で頑張るacomiさん できる限り応援いたします」

私は、おじちゃんから買わせていただいている骨を使っています。
そこにある JUPA マークは、日本洋傘振興協議会の品質の証
そして私にとってみれば、おじちゃんたちとの繋がりの証
今、acomi という作家が活動していられる感謝

ただ、昨年
納品先のお店さんから、シールを剥がしてほしいと言われました。
合わせて、傘に2か所貼ってあるセロハンテープも。
テープは、骨の状態で保管しているときに傷がつきやすい箇所に貼ってあります

作家として出している傘に市販の印があるのは、
そのお店のおもいとも反してしまうことに気づかせていただいたのです

それからは、骨のシールをはがしています。
(初期のオーナーさんたちの傘には貼ったままになっています)



制作に入る前に、東京から送っていただいた骨からシールとテープを剥がしました
制作の部分の頭と心がお休みしていてもできる上に結構な時間がかかるので
冬眠中の作業にはぴったりでした。

病院から電話してくれたおじちゃん、どうか。

願いながら、繋がりのシールを剥がしました。

でもそれは、感謝の作業。
それだけは、間違いありません。
by acomino.cocoro | 2010-02-03 23:59 | ものつくりの心。
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